研究課題/領域番号 |
17500300
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
馮 忠剛 山形大学, 工学部, 助教授 (10332545)
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研究分担者 |
中村 孝夫 山形大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00142654)
梅津 光生 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90132927)
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キーワード | 細胞組織工学 / 心筋細胞3次元培養 / 細胞粘着分子 / インターアクション / 遺伝子転移 / 電気-応力刺激 |
研究概要 |
本研究は17年度の成果を踏まえて、研究実施計画に従って、順調に進んでいる。今年度の研究成果は以下のように要約される。 (1)心筋細胞膜上にある足場との相互作用を強化する機能分子の発現促進について、構築した心筋培養組織の介在盤におけるN-cadherin, Connexin 43の発現の不足を示した上に、更に4つのTranscription factorの発現を調べた。その結果、ラット心筋の成長に極めて重要であるNkx2.5とMyocardinの発現減少することが分かった。これにより、3次元コラーゲンゲル支持体内多細胞培養系を構築し、胎児心筋細胞の遺伝表現型を調節して、生体内に近い成長・分化を促している。 (2)電気-応力バイオリアクタを改良し、上記の構築された心筋組織を電気・応力負荷下に培養した。構築した心筋培養組織の自発的な拍動を利用して、心筋拍動に適合した動的応力を印加し、より生体と近い応力環境下の組織培養を実現した。 (3)心筋培養組織の構築方法に於いて、各ステップの最適化を検討しました、また、リング状培養心筋再生組織の拍動力を測定するオリジナルな微小拍動力の測定方法を用いて、構築した培養心筋再生組織の拍動力特性を解明した。 以上の3点については、今までの研究報告には見当たらず、本研究での新知見であることと考えられる。 (4)また、3次元コラーゲンゲル足場に添加物を与えることによって、3次元構造内への高培養液浸透性を得る方法に関して、更なる改進を行った。 来年度は、これらの成果に基づき、3次元コラーゲンゲル支持体内多細胞培養系の構築、以上の技術により構築した3次元心筋構造をラット心臓に移植し、この方法の先進性を確かめる。
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