研究課題
基盤研究(C)
リン酸化反応性放出制御型及び酸化還元反応性放出制御型ポリペプチド担体の基盤であり分子集合能を有するポリペプチド(VPGVG)n(Vppと略)、さらにVPGVG配列にVPGK(Z)G配列を加えたポリペプチド[8(VPGVG)、2(VPGK(Z)G)](VK(Z)ppと略)及び[(VPGVG)、2(VPGK(Boc)G)](VK(Boc)ppと略)を合成した。これらのVpp、VK(Z)pp、及びVK(Boc)ppの3種ポリペプチドを水溶液中で55〜60℃に加熱してコアセルベード液滴を作製し、ついでγ線照射してナノ粒子を作製した。このナノ粒子はγ線照射によって酵素による分解が抑えられ、安定性が増大することが示された。ついでこれらの担体の薬物徐放性を検討するために、Vpp由来ナノ粒子及びVK(Boc)pp由来ナノ粒子に抗癌剤アドリアマイシンを取り込ませたところ、薬剤の担持率はそれぞれ80%及び77%の高担持率を示した。薬物徐放のプロフィルについては、Vpp由来のナノ粒子及びVK(Boc)pp由来のナノ粒子のそれぞれの薬物徐放能(担持量の半量が放出されるのに要する時間)は13日及び19日であった。さらにタンパク質リン酸化酵素の基質であるRGYSLG配列を導入したリン酸化反応性放出制御型ポリペプチド担体[30(VPGVG)、(RGYSLG)]にリン酸化酵素を作用させると、リン酸化によって分子集合の開始温度が約15℃上昇し、脱リン酸化によって分子集合の開始温度が約15℃低下することが示された。またKの側鎖に酸化還元基のN-メチルニコチンアミド(NMeN)を結合させたVPGK(NMeN)G配列を導入した酸化還元反応性放出制御型ポリペプチド担体[7(VPGVG)、3(VPGK(NMeN)G)]では、還元状態から酸化状態への変化で約17℃の上昇、酸化状態から還元状態への変化で約17℃の低下が示された。今後はこれらのリン酸化反応性放出制御型及び酸化還元反応性放出制御型ナノ粒子についてその薬物徐放能を検討していく予定である。
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