研究課題/領域番号 |
17500332
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
猶原 隆 愛媛大学, 工学部, 助教授 (50093935)
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研究分担者 |
渡部 祐司 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20210958)
青野 宏通 愛媛大学, 工学部, 助教授 (00184052)
前原 常弘 愛媛大学, 理学部, 講師 (40274302)
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キーワード | 癌治療 / ハイパーサーミア / ラジオ波焼灼療法 / フェライト粉末 / 高周波誘導焼灼法 / ヒシテリシス損失 / 動物実験 |
研究概要 |
今年度、本研究において実施した実験内容、及び得られた結果は下記の通りである。 1.粉末状Mg-Caフェライトの作製 逆共沈法により、Mg_<1-x>Ca_xFe_2O_4系フェライト微粒子を作製して、交流磁場中での発熱特性を調べた。Mg_<0.5>Ca_<0.5>Fe_2O_4前駆体粉末を300〜1000℃で焼成した場合、800℃で発熱特性の著しい向上が認められた。X線回折結果によると、900℃でMgフェライト(立方晶)とCaフェライト(斜方晶)に分解する。立方晶を維持できる限界温度の800℃で焼成することで、格子を最大限に歪ませることが可能となる。これにより、ヒステリシス損失が大きくなり発熱特性が著しく向上すると考えられる。 2.Ti管被覆Mgフェライト針の作製 針状フェライトは、粉末を成型・固形化したものであり、体外から超音波あるいはCTガイド下で腫瘍部に穿刺する。患者への若干の負担を伴うが、一旦フェライト針を留置すると繰り返し焼灼治療を行うことができる。本研究では、Mgフェライトを種々の金属細管(外径:1.4mm、長さ:20mm)に充填して高周波誘導加温特性を測定した。その結果、チタン管に充填した場合、焼結法で作製したMgフェライト針よりも大きな発熱特性が得られた。 3.高周波誘導焼灼装置の試作と動物実験 臨床試験用の装置(高周波出力:2.0kW、磁場強度:2.8kA/m)を試作して、ラット及びウサギによる焼灼実験を行った。Ti管被覆Mgフェライト針を肝臓に刺入して、交流磁場中での十分な焼灼効果を確認した。来年度は、ミニ豚による動物実験を行って、臨床試験のための焼灼装置の改良と基礎データの蓄積を目指す予定である。
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