研究課題
基盤研究(C)
本研究では、対象とする癌をMRIで可視化し、同時に位置情報を取得、MRI誘導音響化学療法を施行するために、音響化学療法で主として用いられるポルフィマーナトリウムとGd-DTPAの化学的合成を行い、新規機能的造影治療薬の開発を目指している。H18年度は主として、MRIによる癌細胞可視化のための基礎的検討を行った。(村田先生に実験内容を聞く)合成された薬剤に超音波を照射し、活性化の指標である活性酸素を測定したところ、通常のポルフィマーナトリウムと同程度の活性酸素の放出が認められた。来年度は本薬剤を用いてin vivo実験を行い、その効果を検討する。また、同時に、消化器癌の治療方針を左右する要因である、リンパ節転移を正確に把握するために、MRIによる全く新しいセンチネルノードナビゲーション法についての検討を行った。リンパ節トレーサーとして超常磁性酸化鉄(SPIO)を用い、ブタを用いてリンパ節が可視化でできるSPIO投与濃度、MRI撮像条件、投与法を明らかにした。MRIにより取得したボリュームデータを三次元処理してセンチネルリンパ節を抽出し、それを腹腔鏡の実画像に重畳表示させるナビゲーションシステムの開発を行った。腹腔鏡下手術時の環境(気腹状態)のままMRIを撮影することで、正確なナビゲーションが可能で、本法は新しい腹腔鏡下センチネルノードナビゲーション法としてその有用性が期待される。来年度は、本法の臨床応用を行うと同時に造影剤を改良し、音響化学療法のターゲッティングとして本法が応用可能かどうかを検討する。
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