研究課題
1)嚥下中枢の機能解析嚥下中枢としては延髄のCPG及び大脳皮質(運動野〜島)があるが、両者の連関について脳機能マッピング法を用いて解析を行った。従来比較的独立に機能していると考えられていた両中枢のコンタクトが出入力系両方において密接に関連していることが明らかになった。また、より高次の脳機能の関与も明らかになった。2)種々の神経疾患におけるCPG異常の解析臨床的に嚥下のsequentialな運動の異常パターンの解明を行った。着目点は嚥下運動の口腔期・咽頭期・食道期の各筋の活動パターンを経時的に解析した。検査としては嚥下造影法、嚥下圧測定法、嚥下時透視検査、呼吸曲線をマーカーとした。現在までに患者群として約200例の解析を行った。各種神経系疾患によって異なる嚥下障害パターンをきたすことが明らかになり、CPGとの密接な関連が予想された。また、嚥下障害については延髄中枢のみならず大脳皮質の嚥下中枢の関与も大きく寄与することが明らかになった。3)動物モデルを用いたCPGの解析種々の動物モデルの脳幹標本を用いて神経刺激を行い、延髄CGP及び嚥下運動中枢に関与する神経群の活動を解析している。また、マウス・ラットではヒトとは異なる喉咽頭部の解剖学的特徴のために、現在までに嚥下障害モデル動物は報告されていないが、我々は脳脊髄炎マウスをもちいた実験的嚥下障害モデル動物の開発に着手している。4)嚥下障害治療への応用治療的応用としては現在以下のアプローチを進行中である。(1)CGPに直接作用する神経伝達物質を介した嚥下運動誘発(2)CGP及び遠心性神経へのpin-point magnet stimulation法(3)大脳〜CGP入力系へ作用する嚥下運動誘発法
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