研究課題
基盤研究(C)
ファントムセンセーションと仮現運動のセンサフュージョンの知覚・認知状況を生体反応(事象関連脳電位および心理的応答)から推定するための実験システムを構築した。本システムは、生体アンプ、A/D変換ボード、パーソナルコンピュータ、D/A変換ボードおよび触刺激素子から構成され、EEGデータ群の周波数解析とトポグラフ化機能を開発、付加して、刺激提示と生体反応の計測を制御することができる。触刺激素子には、絶縁処理を施したPZT振動子が使用できるほか、ゲル電極による電気刺激にも対応しており、振動刺激よりも鋭敏な触感覚として刺激提示できる。また、最大8個の触刺激素子をパラレルに駆動・制御することが可能である。予備実験として仮現運動認知に関する弁別パラダイムを設計し、光トポグラフィ法により、その認知過程の評価を試みているが、本実験システムは、刺激提示から生体反応までの一連の処理過程をEEGトポグラフにより捕捉することが可能である。触刺激として変調振動を被験者へ提示し、触刺激に対する事象関連脳電位を計測、オフラインで触刺激の弁別反応を定量評価する方法を考案した。また、2点刺激弁別課題なる新たな弁別課題を考案し、加算平均解析を用いて2つの触刺激に対する事象関連脳電位の特徴抽出を行うと共に、単一試行解析により触刺激に対する学習効果の検討も行った。ファントムセンセーションと仮現運動のセンサフュージョンによる情報の提示に関しては、3つの触刺激素子を用いたベクトル情報の伝達実験を行った。この実験からベクトルの方向および大きさに関する情報の伝達に関して、3つの触刺激素子では、およそ数ビットの伝達情報量が確保され、方向ならば0.1(rad)、大きさならば2(cm)を一単位とすれば、ベクトル情報が十分に伝達できることを確認した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
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