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2005 年度 実績報告書

運動-呼吸リズム同調システムを利用した呼吸リハビリテーションプログラムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 17500356
研究機関京都大学

研究代表者

玉木 彰  京都大学, 医学部, 助教授 (70269851)

研究分担者 室 繁郎  京都大学, 医学研究科, 助手 (60344454)
陳 和夫  京都大学, 医学研究科, 助教授 (90197640)
キーワード呼吸リハビリテーション / LRC / 運動トレーニング / COPD
研究概要

今年度の研究課題は,COPD患者のペダリング運動時における呼吸リズム比を分析し,運動-呼吸リズム同調を利用した新しい呼吸リハビリテーションプログラムを確立させること,またCOPD患者の定負荷ペダリング運動時における呼吸リズム比2パターンを選択し,リズム比を規定した場合と規定しない場合において,定負荷運動中の呼吸・循環反応,自覚的運動強度等の差について検討するであった。慢性安定期のCOPD患者7名(平均年齢66.6歳)に対し,AT負荷レベルでのペダリング運動を5分間行い,このときの運動-呼吸同調現象(locomotor-respiratory-coupling:LRC)を分析し,そのリズム比を解析した。その結果,COPD患者のような閉塞性疾患では運動-呼吸のリズム比3:1が最も出現しやすく,次に2:1であった。したがって,COPD患者の呼吸リハビリテーションプログラムにおける運動トレーニング時には,運動-呼吸同調のリズム比3:1および2:1を組み込む事が必要であると考えられた。次にLRC現象を意図的に誘発するための運動-呼吸同調システム使用の有無がCOPD患者におけるペダリング運動時の呼吸困難感および動脈血酸素飽和度(SpO2)の変化に及ぼす効果について検討した。慢性安定期のCOPD患者7名(平均年齢66.6歳)に対し,AT負荷レベルでの10分間の定負荷ペダリング運動を行い,その時の呼吸困難感(Borg Scale)及びSpO2の変化を1分毎に測定した。測定条件は呼吸リズムを規定しない自由呼吸(free),運動-呼吸のリズム比を2:1,3:1の3つとし,それぞれランダムに別々の日に行った。そして3つの条件における運動中の各指標を比較検討した。
その結果,運動-呼吸同調システムを使用する事によってLRC現象の発生率はfreeに比べて有意に上昇した。リズム比3:1の条件では運動時の呼吸困難感がfreeおよびリズム比2:1に比べ有意に軽減し,また運動時のSpO2の低下も有意に抑制出来た。以上のことから,COPD患者のペダリング運動時に運動-呼吸のリズム比を3:1に制御することで,呼吸困難感の軽減やSpO2の低下を抑制できるものと考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Study of Locomotor Respiratory Coupling during pedaling2005

    • 著者名/発表者名
      TAMAKI, A et al.
    • 雑誌名

      Acta Medica Hyogoensia Vol30. No2

      ページ: 161-166

  • [雑誌論文] 急性増悪時の呼吸リハビリテーション2005

    • 著者名/発表者名
      玉木 彰 他
    • 雑誌名

      COPD FRONTIRE 4巻3号

      ページ: 33-39

  • [雑誌論文] 肺移植待機中の重症呼吸不全患者に対する呼吸リハビリテーション-薬物療法と運動療法により改善がみられた一例-2005

    • 著者名/発表者名
      玉木 彰 他
    • 雑誌名

      日本呼吸管理学会誌 15巻1号

      ページ: 172

  • [雑誌論文] 呼吸不全患者の運動時呼吸パターンと運動耐容能の関係2005

    • 著者名/発表者名
      長谷川 聡, 玉木 彰 他
    • 雑誌名

      日本呼吸管理学会誌 15巻1号

      ページ: 205

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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