研究課題/領域番号 |
17500362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30325782)
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研究分担者 |
辻尾 昇三 鹿児島大学, 工学部, 教授 (40081252)
川平 和美 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
余 永 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20284903)
林 良太 鹿児島大学, 工学部, 講師 (40288949)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 認知運動療法 / 視覚性リーチング / タッチディスプレー / 半側空間無視 / リハビリテーション / 反応時間 / 右大脳損傷患者 / 視覚刺激 |
研究概要 |
脳損傷患者に生じる高次脳機能障害の一つである半側空間無視(USN)は、空間における物体や自己身体部位への注意欠落のために日常生活動作の自立を妨げ、その機能回復は患者のADL、QOL向上のため極めて重要である。これらの問題解決のために、無視側への正確なリーチング運動を容易にし、効果的に視覚性リーチング運動(視覚的に認知した目標へ手を正確に到達させる運動)を反復可能にする訓練支援システムの開発は極めて重要な課題である。 我々は、左USNを有する、あるいは有しない右大脳損傷患者、およびコントロール群に対して、視空間的遅延反応課題を含む視覚性リーチング運動を行った際の反応時間や運動時間について研究成果を発表した。被検者はタッチディスプレー前に腰掛け、ディスプレー上の光刺激の指示にもとづき、スイッチとタッチディスプレー上の目標との間のリーチング運動を行う。左USN患者において、主に視覚性と思われる反応時間が遅延し、運動開始時間や実質的な運動時間についてはほとんど健常群と差がないことを実証した(Shimodozono et al. 2006). さらに、視覚性リーチング運動課題遂行中の被験者に対して多様な視覚刺激、例えばコントロール刺激に対して動きのある刺激や点滅刺激、さらに異なるモダリティーをもつ表情刺激等を提示可能なシステムを製作し、どのような刺激が反応時間にいかなる影響を及ぼすか検討できるようにした。訓練・検査システムは鹿児島大学病院霧島リハビリテーションセンターに設置して,説明と同意を得た健常者や患者に対して臨床応用を試みた。患者Aでは、一側性に、特異的にある表情に対して視覚性の反応時間が遅延していたが、訓練を重ねる事でこの障害は回復して、特異的な表情に対する方向性注意障害が消失した。将来的に症例数を増やし、検討を重ねる事で新たなリハビリテーション法開発につなげるものとした。
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