研究課題/領域番号 |
17500373
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
新井 寧子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50119880)
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研究分担者 |
川上 順子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40075601)
杉浦 栄作 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70349736)
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キーワード | 医療福祉 / 生体機能利用 / 伝音機構 / 補聴器 |
研究概要 |
外耳道はその外側部が軟骨部で可働性があり触れても痛くない。深部を占める骨部外耳堂道の鼓膜に近い1/3は皮下組織が殆どなく触れると痛い。5名のボランティアについて、挿耳型補聴器のシェルを作成した。内視鏡および診察用顕微鏡を用いて、直視下に鼓膜中央に振動子の先端が向くようにして、振動子の支持台を固定した。まず外耳道に支持台を固定したシェルを装着し、このシェルに振動子を装着、振動子の深さを自身で約5mm調節し、導音子先端からの音が聞こえることで鼓膜に振動子が接触したことが分かる。 音の大きさは振動子と鼓膜に接触する位置、および鼓膜と振動子との角度も関係する様であった。外耳道における振動子の位置関係を、音が聞こえている状態で撮影したCT画像より検討した。また、振動子への電流と聞こえる音の大きさとの関係を計測した。出力音は、高度の混合性難聴のボランティアには充分な大きさであったが、高度の感音難聴ボランティアには不十分であった。音質の良さ、耳垢による音詰まりがない点、また外耳道をふさがないという点において、健聴ボランティアにも不快でなかった。 実用化するためには、振動子先端の位置を±1mm動かすこと、および振動の方向性を変えられるような工夫が必要と思われた。
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