研究課題/領域番号 |
17500373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
新井 寧子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50119880)
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研究分担者 |
川上 順子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40075601)
杉浦 栄作 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70349736)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 医療福祉 / 生体機能利用 / 伝音機構 / 補聴器 |
研究概要 |
難聴者は年齢とともに増加し、視覚・歩行・記憶力などとは相関がない。高齢化社会においては、高齢といえども社会参加が求められるので、難聴者の社会参加が要求される。しかし、現在高齢の難聴者で補聴器を使用している人の割合は英国の1/5である。その理由の一つに補聴器の自身の問題点があり、改良が望まれる。これまで試みられていない方面から補聴器の改良を企てたのが本研究である。音をそのまま空気の疎密波で鼓膜に与えるのではなく、鼓膜を介した振動として鐙骨に与えることにより、外界の音を聴かせる方法を研究した。 種々の導音子を試みた。細いチューブに音を導き、先端に薄膜を張りそれにプラスチツクの棒をつけ、この棒を鼓膜につけることで音を聴くことができた。鼓膜に触れても痛くなく、音が聞こえることで触れたことが判った。そこで振動体すなわち接触型導音子と、これを外耳道に保持する装置を作成した。導音子をオージオメーターの気導受話器出力で駆動し、もう一方の気導受話器の音と比較することにより、この導音子の性能を測った。その結果、鼓膜に接する部位や周波数による違いはあるが、導音子が鼓膜に接触することにより50〜10dBの音のゲインが得られた。補聴器のイヤホン出力をこの振動子につなぐことで、補聴器が使えなくなった高度の混合性難聴者に補聴器として使うことが可能となった。 従って、この方法による補聴器では、高出力で、ハウリングがほとんどなく、耳垢や汗で聞こえなくなることもなく、また外耳道を閉鎖しない、快適性を得られることが期待された。
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