研究概要 |
I.目的 本研究では、広域の学区域をもつ小学校・中学校の子どもたちを対象に、体力・生活・健康および学校の指導などについて調査を実施し、その実態と問題点を明らかにして対策をたて、特に生活習慣の改善と保健・体育授業、総合的学習や学校と保護者の連携の工夫などから、児童・学校・保護者が一体となって子どものアクティブライフを構築することにより子どもが元気になり、体力が向上し、あわせて意欲や学力も高まることが可能であることについて検証することを目的として実施した。 II.研究方法 1.調査対象は、釧路管内へき地指定校4校、釧路市内・東京都内小学校2校、千葉県内広域学区小学校1校、中学校1校の計8校であり、計831名の児童・生徒であった。2.調査項目 体力測定は新体力テスト項目の握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・20mシャトルラン・50m走・立ち幅跳び・ソフトボール投げについて行った。生活調査は、食事や睡眠、学習時間、運動などの基本的な生活習慣について、全48問からなるアンケートにより行った。歩数調査は、加速度計式歩数計を三日間装着させ一日の歩数を調査した。三日間のうち二日目のデータを用いて分析した。 III.結果 へき地の子どもは食事をきちんと摂っており睡眠も十分であるが、日常的に動くことが少なく肥満傾向にあり、そのため体力も低いことが判明した。歩数は約12,000歩であり、少ない中学では8,000歩台の学校も見られた。女子については貧血傾向にある児童が見られたことから、食生活も含めた指導の必要性があると示唆された。北海道都市部の子どもは、生活に問題があり、体力が低い傾向が見られた。一方、東京の子どもは、生活・健康ともに比較的良好であり、体力も全国平均に比較しても高い傾向が得られた。
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