研究課題
基盤研究(C)
動きのコツをつかませるための方策を考えるにあたり、今年度は、コツがうまくつかめないものは運動習得の過程においてどのような特徴があるのかを重点的に考察した。従来、運動の研究は動きを外から見た特徴を分析する手法が主流であったが、それだけでは生命ある人間の運動の研究として不十分であることから、本研究では、運動を実施している人間の内的過程を重点的に考察している。まず、"Das Interpretieren der Bewegungen von ungeschickten Kindern im Sport-unterricht"(体育授業で運動がうまくできない生徒の動きの解釈)というテーマで考察をすすめた。これを、ドイツの専門誌Sportunterrichtに投稿し、掲載された。また、"Sich-Bewegen und Sich-den-Bewegungsvorgang-Bewussmachen-Wesentliche Bewegungstechnik und auffallende Aubenforum-"(運動することと、その運動の意識化-本質的運動技術と外形的特性)というテーマで実験研究を行い、その結果をドイツJena大学で開催された日独スポーツ科学シンポジウムにおいて発表した。さらに、「コツの意識化と運動指導」というテーマで研究をすすめ、成果を第56回日本体育学会発表(筑波大学)において発表した。コツをつかむということは、新たな動きの発生であることから、第19回スポーツ運動学会(筑波大学)において、「運動発生につながる研究を考える」というテーマで研究発表を行った。今後は、体育において学習者が動きのコツをつかむために必要な運動感覚意識の構造、発生過程などについて研究を発展させる予定である。
すべて 2005
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Sportunterricht (Hofmann GmbH Schorndorf, Germany) 54・7
ページ: S.202-205