研究分担者 |
後藤 邦夫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30215488)
卞 圭悟 (大山 圭悟) 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80312833)
及川 力 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (60213609)
加藤 伸子 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (90279555)
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研究概要 |
本研究は、聴覚障害者を対象とした,視覚活用とリズム適応を目指した体育・スポーツ指導法について検討し,指導者のコミュニケーションスキルに頼る方法だけではなく,メディアや情報支援機器なども取り入れた新しい指導スタイルを構築することを目的としている。4年計画の1年目として、以下のとおり実施した。 A 聴覚障害者の体育・スポーツに関する学習環境とニーズに関する現状調査 聴覚障害者の大学在籍状況、体育・スポーツに関する学習環境とニーズについて調査した。調査対象は,国内の大学・短期大学のうち,北海道・東北・関東地区の大学とした。予備調査の結果をもとに,現在聴覚障害学生が在籍し、聴覚障害学生の体育・スポーツ指導において配慮や工夫をしており,調査協力の承諾が得られた5校で聞き取り調査を実施した。調査は,当該校における体育・スポーツ指導担当教員,聴覚障害学生,クラスメート,補助担当者を対象とした。その結果,大学の一般体育実技では,1)受講形態:健聴学生と一緒のクラスが最も多いが,講義振替や障害のある学生を対象とした種目で受講する場合もあった。2)授業補助:補助者,クラスメートのボランティアによる補助,指導者の配慮・工夫による補助がみられた。3)障害学生に対する配慮・工夫:ゼスチャーを多用,声を大きくする,資料を配布する,板書やボードなどの視覚情報を多用することなどがあげられていた。一方で,聴覚障害学生自身が障害の公表と特別な配慮を希望しない場合もあった。結果の一部は,日本体育学会第56回大会で発表した。 B リズムや運動,音声情報の可視化のためのシステム開発 聴覚障害者にわかりやすい情報提示方法ということをテーマに,音楽,リズムや音声情報の可視化のためのシステム開発を行った。現在試作版の制作段階であるが,今後は聴覚障害者,健聴者を対象に評価のための実験を行っていく。
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