研究分担者 |
後藤 邦夫 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (30215488)
卞 圭吾 (大山 圭吾) 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (80312833)
及川 力 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (60213609)
加藤 伸子 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (90279555)
村上 裕史 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (20219900)
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研究概要 |
本研究は、聴覚障害学生を対象とした,視覚活用とリズム適応を目指した体育・スボーッ指導法について検討し,指導者のコミュニケーションスキルに頼る方法だけではなく,メディアや情報支援機器なども取り入れた新しい指導スタイルを構築することを目的としている。4年計画の2年目として、以下の通り実施した。 A 聴覚障害者の体育・スボーツに関する学習環境とニーズに関する検討 専門領域としての体育・スボーツの学習環境と聴覚障害学生のニーズならびに学習支援の基礎資料を得るためにアンケートならびに面接調査を実施した。聾学校から大学等への進学者のうち体育・スボーツを専門とする領域へ進学する割合は,2000年以降3〜10%前後であり,保健体育教員免許状も約9割の学生が取得していたことが示された。しかし,大学側の受け入れ態勢は十分でなく大学間で情報共有した支援モデルづくりが必要であると考えられた。調査結果の一部は,日本体育学会第57回大会で発表した。 B リズムや運動,音声情報の可視化と体育・スボーツ指導場面への導入 聴覚障害学生にわかりやすい情報提示方法ということをテーマに,音楽,リズムや音声情報の可視化のためのシステムを試作し,リズムステップテストとしてその評価実験を行った。聴覚障害学生ならびに健聴学生を対象とした全身反応時間,リズムステップテストでは,光刺激全身反応時間,ステップの正確性と安定性において,対象者の聴力レベルよりも音楽やスボーツに対する興味や実施経験との関連性が認められた。また,パーソナルリズム,リズム認識やステッブ動作では,聴覚障害学生群と健聴学生群との間に差は認められなかった。さらに視覚情報と音情報を同時に提示する方法がもっとも正確性と安定性が高かったことから,聴覚障害学生にわかりやすい情報提示方法は,健聴学生にも同様にわかりやすい情報提示方法であることが示唆された。
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