研究概要 |
本研究は、聴覚障害学生を対象とした,視覚活用とリズム適応を目指した体育・スポーツ指導法について検討し,指導者のコミュニケーションスキルに頼る方法だけではなく,メディアや情報支援機器なども取り入れた新しい指導スタイルを構築することを目的としている。最終年にあたる本年度は、前年度に引き続きシステム改良と,体育・スポーツ場面での試行と評価を行いながら,メディアや情報支援機器なども取り入れた新しい指導スタイルとしての可能性について総合的な評価を行い,研究の総括を実施した。 A聴覚障害者の体育・スポーツに関する学習環境とニーズに関する検討平成17〜18年度に実施した調査結果をもとに,聴覚障害者の体育・スポーツに関する学習環境とニーズに関する現状についてのまとめとして,全国聾学校体育連盟を通して報告書を配付するともに,公開の同意が得られた内容については,論文にまとめ投稿中である。 Bリズムや運動,音声情報の可視化と体育・スポーツ指導場面への導入可視化情報提示のシステム改良と再評価のための実験を継続して実施した。さらに,聴覚障害学生が在籍する教育機関に研究協力を依頼し,実験授業と評価を行い,システムの有効性について検討した。その結果,聴覚情報と視覚情報を同時に提示する方法が聴覚障害学生では有効であることが示され,本研究で開発したシステムの有効性が認められた。しかし,インクルーシブな場面で応用するためには,同時提示における聴覚情報と視覚情報の提示時間差に着目した研究が今後の課題とされた。これらの成果は,10thinternational ASAPE symposium,Seoulにて発表した。
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