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2007 年度 実績報告書

成長期トップレベルアスリートの事象関連電位の変化と骨年齢の関係

研究課題

研究課題/領域番号 17500410
研究機関東京女子体育大学

研究代表者

覚張 秀樹  東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (00297574)

研究分担者 広瀬 統一  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 客員講師 (00408634)
福林 徹  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70114626)
キーワード認知科学 / 事象関連電位 / 発育発達 / 骨年齢
研究概要

本研究は成長期トップレベルアスリートの中枢における情報処理能力の発達と、個人の生物学的な成熟度の関係を明らかにすることを目的とし、これらの能力がタレント発掘指標のひとつになりうるか否かを検討した。
本研究の参加者は2000-2001シーズンに某Jリーグアカデミーに所属していた成長期男子サッカー選手56名(11.1歳〜14.9歳:13.1±1.2歳)であった。選手は15歳および18歳時のパフォーマンスレベルによりプロ群(7名)、大学群(19名)、地域群(30名)に分類した。測定項目は選択反応時間(手:HRT、足:FRT、手足同時:CRT)とステッピングスピード、ステッピング持久性、身長、体重、骨年齢とし、測定データを3群間で比較検討した。平均値の群間差の有無をone-factorial ANOVAを用いて検討し、群間差をTukey's testを用いて統計学的に検討した。有意水準は0.05未満とした。その結果選択反応時間の中でもCRTに群間差(F=7.104,p<0.01)が認められ、プロ(561.6±59.7 msec, p<0.01)および大学群(612.6±59.7 msec, p<0.05)は有意に地域群(692.3±120.0 msec)よりも速く、プロ群は大学群よりも速い傾向にあった。パフォーマンスレベルが高くになるに従い体格的に優れる傾向にあったが、統計的に有意な差ではなかった。また成熟度の個人差はあるものの、群間での有意な差は認められなかった。本研究の結果から、成長期に優れたCRTを有する選手はキャリアを進め、プロサッカー選手になる可能性が高いことが示唆された。一方、中学生年代では個人の成熟度の遅速は中枢情報処理能力の発達に大きく影響しない可能性も示唆された。成長期には単純なスピードや持久性だけでなく、情報処理能力の遅速も評価することで早期にドロップアウトする選手を少なくする可能性が考えられる。さらに成長期前段階では単純な反復練習のみではなく、認知や判断の要素を含んだ情報処理能力を高めるようなトレーニングを積極的に導入する必要があると考えられた。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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