研究課題/領域番号 |
17500416
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 和俊 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30302813)
|
研究分担者 |
大築 立志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30093553)
宮崎 真 早稲田大学, 人間総合研究センター, 助手 (30392202)
|
キーワード | 神経科学 / 脳・神経 / 行動科学 / 動作 / シナジー |
研究概要 |
本年度は、動作シナジーの組織化に関する理論的研究および実験的研究を進めた。 理論的研究に関しては、2005年7月に行われたInternational Conference of Perception and Actionに参加し、コネチカット大学教授Michael T.Turvey教授と非線形力学系の理論を用いたシナジー研究に関する情報交換を行った。その後、環境からの情報がリズミカルな体肢の運動を安定させる仕組みをHakenら(1985)の力学系モデルを拡張することによって説明することに成功し、その内容を日本体育学会第56回大会にて発表した。また、リズミカルな体肢の運動の安定性に対して、体肢機能の左右差がどのように影響しうるのか、非線形微分方程式モデルを用いたシミュレーションにより検討中した。さらに、動作シナジーの組織化を含む巧みな動作制御の背景にある脳活動に関する知見を著書(「運動と高次神経機能」の第6章第3節)および総説(体育の科学第56巻1号)としてまとめ、さらにトレーニングに関する示唆を発表(体育の科学第55巻6号)した。 実験的研究に関しては、行動レベルおよび脳活動レベルでの動作シナジーの組織化に関する検討を行った。はじめに、行動レベルでは、リズミカルな体肢の運動を行う際、両側肢の動作が同位相ではなく逆位相で比較的安定し、体肢動作の左右差が大きい場合には位相がドリフトするという興味深い現象を発見した。この知見に関して、次年度以降理論的な背景を検討し、体肢協調動作の安定性を規定する要因について更に明らかにしていく予定である。次に、脳活動レベルでは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて環境情報に対する協調動作を実現するための脳活動について実験を進めている。データの解析等は次年度以降に行う予定である。
|