研究課題/領域番号 |
17500416
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 和俊 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30302813)
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研究分担者 |
大築 立志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30093553)
宮崎 真 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (30392202)
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キーワード | 行動科学 / 脳・神経 / 神経科学 / 動作 / シナジー / 巧みさ |
研究概要 |
本年度は、環境情報に対する協調動作を実現するための脳活動に関する検討を行った。実験では24名の参加者が刺激提示装置によって提示される2種類の視覚情報に対してタイミング反応を行うよう教示された。その際の脳活動を機能的磁気共鳴画像装置によって記録し、解析した結果、連続的に提示される視覚情報に対する反応では、間歇的に提示される情報に対する反応に比べて、高次視覚野における活動が増大し、補足運動野および運動前野の活動が減少することが明らかになった。これらの結果は、協調動作の組織化において注目する環境情報の相違により異なる脳部位を用いた情報処理が遂行される可能性を示唆しており、運動の熟練および未熟練の相違を脳活動レベルで定量化できる可能性を示すものである。なお、本研究結果は、第30回日本神経科学大会において発表された。 また、昨年度、リズミカルな動作の組織化に関する非線形微分方程式モデルによって、動作の熟達化にとって体肢の左右差が重要な制御変数となることを明らかにしたが、本年はシミュレーションモデルによって推定された左右の機能差と実際の機能差との間に高い相関が認められることを明らかにした。本結果は、本研究で新たに作成された体肢協調動作の力学系モデルの妾当性を更に支持するものである。なお、本内容は、第14回知覚と行為の国際会議において発表され、Lawrence Erlbaum社より出版されたStudies in perception & action IXに掲載された。 更に、本研究による一連の研究内容は総説として「体育の科学」誌に掲載され、原著論文として人工知能学会誌に受理された。
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