研究課題/領域番号 |
17500416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 和俊 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (30302813)
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研究分担者 |
大築 立志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30093553)
宮崎 真 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (30392202)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 行動科学 / 脳・神経 / 動作 / シナジー / 巧みさ / 協調 |
研究概要 |
一般に、ロコモーション(移動運動)や咀嚼などを含むリズミカルな動作は、人間を含めた動物に共通した基本な運動であり、スポーツにおいてもきわめて重要な意味をもつ。これらの動作には数多くの筋の協調的な働き(シナジー)が不可欠であることから、ロシアの生理学者ニコライ・ベルンシュタインは、これらの動作をコントロールするレベルを「シナジーのレベル」と名づけた。複雑系やカオス研究とともに近年ますます発展してきた非線形力学は、複雑な時系列を解析する方法論を確立し、このシナジーを定量的に評価しうる可能性をもたらしつつある。そこで本研究では、動作の協調性(シナジー)を、非線形力学系アプローチを用いて定量的に評価し、さらに協調性に関わる脳活動の特性を明らかにすることを目的とした。 その結果、本研究において、1)シナジーの定量化に非線形力学系アプローチを用いた再帰定量化解析が有効であること、2)シナジーを必要とする動作の時空間的安定化に聴覚情報が有益な役割を果たすこと、3)シナジーを必要とする動作の学習過程を非線形微分方程式によるシミュレーションモデルによって再現可能であること、4)シナジーを必要とする動作の遂行過程には環境および脳活動の冗長性を利用した多重安定性が存在すること、5)動作レベル、筋活動レベル、および脳活動レベルの冗長性を用いた多重安定性は、適応的変動という概念によって包括的に捉えられることが明らかになった。 これらの知見は、多関節協調のスキルを必要とするスポーツ動作のみならず、音楽演奏スキルの獲得や、スキルの再学習ともいえるリハビリテーションにおいても今後役立つであろうと考えられる。
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