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2005 年度 実績報告書

萎縮筋の回復過程における細胞内シグナル伝達系に及ぼす加齢の影響

研究課題

研究課題/領域番号 17500428
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山口大学

研究代表者

杉浦 崇夫  山口大学, 教育学部, 教授 (80136150)

キーワード筋萎縮 / 回復過程 / 細胞内シグナル伝達 / 加齢
研究概要

本研究は、筋タンパク質の合成系と分解系にかかわる細胞内シグナル伝達系の加齢変化の特性を検討すると伴に、萎縮からの回復過程においてこれらの細胞内シグナル伝達系に年齢差があるのかどうかについてラット骨格筋を用いて明らかにすることを目的とした。本年度は、当初の予定を変更し、10週齢ラットの筋タンパク質合成系のシグナル伝達系変化について検討した。
10週齢のラット後肢に10日間のギプス固定を施し、ギプス固定解除直後、解除3日後、解除7日後、解除15日後にヒラメ筋を摘出し、検討した。得られた結果は以下の通りである。
1)15日間の回復過程において、固定脚のp-Akt発現量は解除直後から7日後まではcontrol脚との間に差は認められなかったが、15日後ではcontrol脚よりも高値を示した。
2)固定脚のp-mTOR発現量は回復直後ではcontrol脚発現量より低値を示したが、7日後ではcontrol脚の発現量より高値を示した。また、3日後以降の固定脚の発現量は直後の固定脚の値よりも高い値であった。
3)同様の変化がp-p70^<S6K>発現量においても観察されたが、15日後では、control脚と固定脚の発現量は同じであった。
4)固定脚のp-S6発現量は、解除直後でcontrol脚発現量より低値を示したが、7日後ではcontrol脚の発現量より高値を示した。また、3日後以降の固定脚の発現量は直後の固定脚の値よりも高い値であった。
5)固定脚のp-eIF4G発現量は、解除3日後以降はcontrol脚発現量より高い値を示した。
6)calcineurin発現量は有意な差は見られなかった。
以上の結果より、ギプス固定による萎縮からの回復において、リボソームにおけるmRNAの翻訳によるタンパク合成の関与が大きいことが示された。また、核内転写による萎縮からの回復は、本研究の回復期間では見られなかった。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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