研究概要 |
最終年度となる本年度は、前年度までに収集したデータの分析・考察を行い、健常者と障害者が、ともに活動できる総合型地域スポーツクラブのあり方について検討した。 1、NPO法人と連携した障害者スポーツ活動支援 「NPO法人スポーツ福祉くまもと」と連携し、知的障害者サッカーチームの運営・指導を行った。このフィールドワークを通して、障害者のスポーツ現場を中心として、そこに関わる多様な公的・私的組織のネットワークをボトムアップ的に構築することが必要であるとの知見を得ることができた。 2、障害者のスポーツ活動の場としての総合型地域スポーツクラブのあり方の検討 アンケート調査、インタビュー調査,フィールドワークでの研究成果を統括し、障害者のスポーツ活動の場としての総合型地域スポーツクラブのあり方について検討した。その結果、第一に、地域に根ざした関係性が組織の基盤となっていること、第二に、障害者に対して生活主体としてのスポーツ実践力を養成する教育的機能を備えていることを明らかにした。 3、研究成果の活用 研究成果を芦北町障害者プラン及び芦北町障害者福祉計画に活用した。芦北町の調査では,障害者のスポーツ実践には「個人の行為力」「偶然性」「現実的な生活レベルでの人間関係の存在」の3つのカテゴリーが障害者のスポーツに重要な役割を果たしていることを明らかにした。これらをもとに生活者という視点から、芦北町における具体的な障害者の余暇活動(スポーツ)支援策について提言した。
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