研究課題/領域番号 |
17500436
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
田中 孝夫 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (60274867)
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研究分担者 |
荻田 太 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (50224134)
田巻 弘之 鹿屋体育大学, 体育学部, 准教授 (40253926)
浜岡 隆文 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (70266518)
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キーワード | 一流選手養成 / 競泳パフォーマンス / 体力要因 / 技術要因 / 推進効率 / トレーニング / MADシステム |
研究概要 |
【目的】過去2年間の成果より、エリート選手における泳成績には体力要因よりも技術要因の貢献が高いことが明らかになった。そこで本実験では、競泳選手の技術的指標である推進効率について、特にエリート選手を用い国内で初めて定量し、一流技術の目標値・基準値を作成すること、および年間トレーニングにともなう力学的指標の変化について明らかにすることを目的とした。 【方法】被検者は3年連続インカレ優勝校に所属する水泳部員7名(年齢20±1歳)であり、うちユニバーシアード銀メダリスト、ヨーロッパグランプリサーキット、世界競泳選手権、全日本選手権、全日本学生選手権出場経験のあるエリート選手であった。本実験における推進効率の定量化は、Toussaintらの測定方法にならい、MADシステム上、および自由泳時のエネルギー消費量を測定、それらの差より水を後方に押し出すために費やされるエネルギー(水に失うエネルギー)を定量して求めた。また、力学的指標の変化はこれまでと同様、MADシステムを用いた抵抗係数、抵抗指数、推進パワーで評価した。 【結果及び考察】その結果、本被検者の推進効率は73.2±8.3%であった。これまでToussaintら、Bergerらによって報告された値(エリート泳者:60〜70%、トライアスリート40〜50%)よりも高い値であったことから、より優れた技術を有していることが推察された。一方、年間を通じたトレーニングで抵抗係数、抵抗指数、推進パワーには統計上有意な変化は認められなかった。以上のことから、推進効率は泳技術を評価する有用な指標と示唆され、エリート泳者における目標値は70%以上に定めることが妥当であること、および年間のトレーニングにおいて、エリート泳者における力学的指標には顕著な変化は認められにくいことが考えられた。
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