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2006 年度 実績報告書

慢性的な精神ストレスによる脳神経細胞死に対して身体運動は抑制効果を持つか否か

研究課題

研究課題/領域番号 17500442
研究機関日本医科大学

研究代表者

三上 俊夫  日本医科大学, 医学部, 助教授 (60199966)

研究分担者 太田 成男  日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (00125832)
キーワード精神的ストレス / 神経細胞 / IGF-1 / 海馬 / 身体運動 / 記憶力 / ウォーターメイズテスト / JB-1
研究概要

「目的」Insulin like growth factor-1の低下したLIDマウスを用いた昨年の研究結果より、継続的な精神的ストレス負荷は、マウスの学習・記憶能力と海馬の神経細胞数を低下させたが、運動負荷はこの低下を抑制し、この原因の一つには、運動負荷による脳内へのIGF-1取り込み増加が関係することが示唆された。この結果を踏まえて本年度は、IGF-1receptorの阻害剤であるJB-1を運動負荷したマウスに投与して、運動による学習・記憶能力の向上が影響を受けるか否かについて検討した。
「方法」実験動物は雄のC57BL/6マウスを用いた。このマウスを以下の4群に分けた。(1)ストレス負荷群:1日に6時間の拘束ストレスを負荷し、飼育は通常の飼育ケージを6分割した狭いケージで行った。(2)ストレス負荷+運動群:ストレス負荷群と同じ拘束、飼育条件で、更に1日1時間、週に5日のトレッドミル走を負荷した。(3)ストレス負荷+運動+JB-1投与群:(2)と同じ条件で、更に体内に内蔵したOsmotic pumpによりJB-1の持続的投与を行った。6週間の飼育期間終了、ウォーターメイズ試験によりマウスの学習・記憶力を測定した。
「結果」6週間の拘束と狭いケージでの飼育は、ウォーターメイズ試験により測定したマウスの学習・記憶力を有意に低下させた。一方、同様の条件でも定期的に運動を負荷したマウスでは学習・記憶力の低下がみられなかった。しかし、JB-1の持続的投与をしながら運動を負荷したマウスでは、学習・記憶力の低下が認められた。
「まとめ」これらの結果より、身体運動による学習・記憶力の低下抑制効果にはIGF-1を介した反応経路が関係していることが示唆された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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