研究課題
基盤研究(C)
I.全国の聾学校に対する20mシャトルランテストに関するアンケート調査の実施全国104校の聾学校にアンケート調査を行い、59校から回答が得られた。このうち、実施している学校は25校(42%)あり、小学部が最も多く(23校)、次いで中学部(14校)、高等部(8校)の順であった。音源にあわせて教員が太鼓を叩く、旗を振りつつ、しかもペースメーカーとして生徒と一緒に走る方法で実施している学校がほとんどであった。音を聞いて走るスピードを調節すること、レベルが上がるごとにスピードもアップすることへの対応などが課題として挙げられた。また、実施していない学校では、音の代わりに何か視覚で理解できる装置がないとできないという回答が多かった。II.視覚を利用した測定装置の検討1.基礎的検討の実施聴覚障害学生に対して20mシャトルランを実施し、視覚を利用した測定装置の可能性について基礎的検討を行った.特に、シャトルラン実施中に走りながらどこをみていたか、どのようにタイミングを把握していたか、等の聞き取りを行った.この結果,情報提示位置として前方正面または床面が適切であること、情報を見るのは一瞬であるためわかりやすい映像が重要であること、が確認された.2.聴覚障害者・児にとってわかりやすい映像内容の検討基礎的検討の結果をふまえて、運動中も理解しやすい提示内容として、音に合わせてドレミファソラシドの音階を映像として提示するシャトルラン情報保障映像パターンを試作した。3.視覚を利用した提示システムの検討情報提示位置の検討結果に基づき、液晶プロジェクター、映像提示装置(DV再生装置またはノートブック型PC)、ミキサースピーカーシステムからなる提示システムを提案した.本システムでは、液晶プロジェクター2機を用いることで、シャトルラン実施中に常に正面に映像を見ることを可能にするものである。