1.大学生のひきこもり 研究代表者が行っている「国立大学学生の休学・退学・留年及び死亡の調査」から、休学・退学・留年のいずれも上昇傾向にある。また、死因の第一位を自殺が占める状態が続いている。これらの経年変化についての、男女別、理系、文系、6年制(医、歯、獣)、学年別等の分析を行った。自殺については、さらに、手段、月、休学退学との関係、保健管理センターの関わり方、診断などについても分析した。このようにして、日本の大学生のひきこもり、スチューデントアパシーとの関係、及び自殺との関係についての現状把握を行った。 茨城大学で2年以上留年している学生及び休学中の学生に面接調査をするために、質問項目を作成および心理テストの準備を行った。うつ状態のSDS、性格傾向についてはCloningerのTemperament and Character Inventory、両親の養育態度についてはParent Bonding Instrument等、文献収集、検討、準備をした。 アメリカの大学の休学・退学・留年の状況及び扱いについて、例えば、何年在籍可能か・学期ごとの休学・復学が可能か、それらの理由はどのようなものがあるかなどについて、Yale大学などの担当者の聞き取り調査を行った。引き続き調査が必要である。Student Apathy状態で引きこもる学生は、本当にいないのか、自殺との関係はどうか、学業、文化、メンタルヘルス面での学生サービスの状況についての調査票を作成した。 2.中学生・高校生のひきこもり Schwab-Stoneが開発したSAHAを基本調査として用いるため、SAHAについての説明をYale大学で受けた。日本語に翻訳した。ひきこもり状態および自殺行動を把握するために、追加項目を増やして日本の青少年に適切なアンケートを作成する必要がある。さらに、日本の中学生、高校生には不適切な項目もあるため削除の必要がある。Yale Child Studyとの協議を進めて完成しつつある。調査を行う学校との交渉、説明を行った。
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