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2005 年度 実績報告書

森林揮散物質「みどりの香り」の抗ストレス作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17500467
研究機関富山大学

研究代表者

佐々木 和男  富山大学, 工学部, 教授 (60042826)

研究分担者 磯部 正治  富山大学, 工学部, 教授 (70211050)
中島 一樹  富山大学, 工学部, 助教授 (50207776)
キーワード神経科学 / ストレス / 森林浴
研究概要

1.c-Fos蛋白の染色により活性化した神経細胞を化学的に検知することができる。この方法で強制遊泳ストレスにより活性化される脳部位を調べると、その一つに視床室傍核がある。視床室傍核は脳幹及び視床下部からの末梢情報を大脳皮質に伝える中継核で、特に行動の発現に重要な部位である。この強制遊泳による視床室傍核ニューロンの活性化に対する「みどりの香り」の作用をラットで調べたところ、強制遊泳後「みどりの香り」を嗅いだラットでは視床室傍核ニューロンの活性化が有意に抑制され、c-Fos発現細胞数は対照のレベルにまで戻ることが明らかになった。この結果は、森林の香気成分が中枢に作用し、抗ストレス作用を発揮する可能性を示唆する。
2.森林浴により気分がリラックスし、副交感神経系が優位となることはよく知られている事実であるが、そのメカニズムについては明らかでない。このメカニズムを明らかにするため、拘束ストレスにより視床下部外側野(副交感神経系の中枢)で増大するドーパミン代謝に対する樹幹の香気成分、すなわち"セドロール"の作用につきラットで調べた。拘束ストレス中のラットにセドロールの匂いを嗅がせると視床下部外側野におけるドーパミン並びにその代謝産物(DOPAC及びHVA)量は拘束ストレスだけを受けたラットに比べ有意に減少した。この結果は、拘束ストレスによりドーパミンを介して抑制された副交感神経系の活動がセドロールにより元の状態、すなわち副交感神経系優位の状態に戻ることを意味し、森林の香気成分が副交感系を活性化するメカニズムの一端を明らかにしたものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Effect of the natural fragrance "cedrol" on dopamine metabolism in the lateral hypothalamic area of restrained rats : A microdialysis study2006

    • 著者名/発表者名
      Akutsu T.
    • 雑誌名

      International Congress Series 1287(印刷中)

  • [雑誌論文] Effects of green odor on expression of Fos-immunoreactivity in the paraventricular nucleus of the thalamus in forced swimming rats2005

    • 著者名/発表者名
      Kim J.
    • 雑誌名

      Chemical Senses 30(Suppl.1)

      ページ: i266-i267

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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