研究課題/領域番号 |
17500474
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高田 真吾 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80379750)
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研究分担者 |
光延 文裕 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10239288)
芦田 耕三 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70291474)
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キーワード | SF-36v2 / eosinophil cationic protein / 気管支喘息 / n-3系不飽和脂肪酸強化食 / 温泉療法 / leukotriene C4 / ディコンディショニング |
研究概要 |
高齢者慢性疾患治療においては、単に疾患の改善を図るだけでなく、全身状態の悪化(ディコンディショニング)に対する治療が必要である。本年度は、平成17年度の研究内容である【研究1】全身状態の悪化を来たした高齢者の生理学的及び生化学的特徴についての検討、【研究2】高齢者の全身状態の悪化に対する運動療法の改善効果についての検討を継続した。更に【研究3】高齢者の全身状態悪化に対する栄養療法の改善効果についての検討を行った。 【研究2】慢性疾患患者は疾患そのものによる身体機能低下を来たしているのみならず、多年に渡る闘病生活のため、精神的健康度も低下している。温泉プール水中運動などを含む温泉治療は、温泉そのものの化学的作用、温熱作用、水圧、浮力等の物理的作用が期待される。一方、都会の喧騒から離れた温泉保養地での治療では、精神的リラックス作用も期待される。当医療センターの温泉を有するという立地条件を生かし、本研究では慢性疾患患者の健康関連QOLに対する温泉療法の改善効果について検討した。SF-36v2を用いて健康関連QOLを評価したところ、温泉療法後には身体的健康度、精神的健康度の改善等を認め、温泉療法は慢性疾患患者の健康関連QOL改善効果を有することが示された。【研究3】現在まで我々は気管支喘息に対するn-3系不飽和脂肪酸強化食(エゴマ油食)の効果について報告してきた。その作用機序として白血球からのleukotriene C4産生能の抑制が示唆されたが、その解明は不十分である。そこで、エゴマ油食の気管支喘息患者の病態に対する作用機序を明らかにすることを目的として、喘息患者の血清eosinophil cationic protein(ECP)に対するエゴマ油食の効果を検討した。その結果エゴマ油食により呼吸機能の改善傾向、血清ECPの低下傾向が見られ、エゴマ油食が気管支喘息に対して効果的であることが示唆された。
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