研究課題
17年度、ストループ課題、位置正誤判断課題、N-バック課題、トレイルマーキング課題、かなひろい課題、GO/NO-GO課題の6種の認知機能課題からなるテストバッテリを構築し、小学3年生から80歳までの約700名を対象にデータを収集した。この結果から、各課題の正解数、反応時間を正規化し、各課題得点を求めた。それらを合算して合計得点を求めた。この合計得点と実年齢の関係を検討し、実年齢20歳未満、20歳以上60歳未満、60歳以上の各区間で回帰推定を行い、いわゆる脳年齢を算出する式(1)を得た。また一週間後に再テストを実施して、同様の手順で繰り返し効果を含んだ脳年齢推定式(2)を得た。17年度後半から18年度は、これらの推定式ふたつを用いて、S市のウォーキング講座、C市のインターバル速歩講座参加者の脳年齢を評価した。その結果、半年のウォーキング講座で、開始時に(1)式、終了時に(2)式を用い繰り返し効果を大きく見積もった場合でも約7歳の有意な脳年齢低下が認められた。同じく、一年のインターバル速歩講座で、講座開始後六ヶ月時に(1)式、十二ヵ月後、十八ヵ月後に(2)式を用いて脳年齢推定を行ったところ、実年齢に比し、それぞれ、-2.5歳、-7.8歳、-15.6歳で講座進行に伴って脳年齢低下が認められた。一方、認知機能テスト時およびインターバル速歩時の脳血液量動態を多チャンネル近赤外線分光法(fNIRStation:島津製作所)で調べた。その結果、認知機能テストのいずれの課題でも前頭前野の酸素化ヘモグロビン量が増した。またインターバル速歩時の速歩時に前頭前野の酸素化ヘモグロビン量が増しており、単なるウォーキングよりインターバル速歩が前頭前野を刺激しやすいと考えられた。
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文理シナジー学会平成18年度大会研究一般発表要旨集
ページ: 14
日本体育学会第57回大会予稿集
ページ: 233
ページ: 165
文理シナジー 10・2
ページ: 105-110