研究課題
健康診断における精神的抑うつ度を把握するための体系作りのために、某会社の健康診断時に同意を得られた約110名について、質問票調査、血液採取、だ液採取を行った。質問票は、CES-D(the Center for Epidemiologic Studies Depression Scale)と職業性ストレス簡易調査票を用い、生活習慣一般も質問項目に加えた。血液からは、従来の研究またはわれわれのパイロットスタディで抑うつに関係する可能性のある指標として、ビタミンB12、α-トコフェロール、葉酸、コルチゾルを測定した。サーカディアンリズムに影響されないよう午前9-11時の間に採血した。だ液は、起床直後と30分後に容器に採取したものを提出してもらい、凍結保存後解凍してコルチゾルとIgA、微弱発光を測定した。その結果、全体では、起床後30分の間にコルチゾル濃度およびその流量は有意に上昇し、IgAと微弱発光およびその流量は有意に減少した。微弱発光においては、新しい知見である。また、抑うつ度の高い者では、起床後30分間にだ液IgAがとその流量が有意に減少し、各因子で調整した後も有意であった。現在43名分の解析が終了しているが、コルチゾルは抑うつ度の高い者で上昇する傾向にあり、微弱発光は抑うつ度の高い者で減少する傾向にあることが示されている。コルチゾル濃度が起床後に上昇するメカニズムは解明されているが、IgA濃度が起床後に減少するメカニズムは明確に説明されてはいない。殊に微弱発光においては、精神的ストレスにより増減するメカニズムはもとより、サーカディアンリズムすらも解明されておらず、更なる調査が望まれる。
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日本未病システム学会雑誌別刷 12・1
ページ: 94-97
International Journal of Behavioral Medicine. 13・Suppl
ページ: 82
Journal of Neuroimmunology 178・Suppl
ページ: 177-178
ページ: 178
Proceedings of Internatioanl Conference of Neuroimmunology (MEDIMOND社) (印刷中)