研究課題/領域番号 |
17500492
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研究機関 | (財)労働科学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 安名 (財)労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (20134108)
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研究分担者 |
広沢 真紀 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究員 (00390774)
内藤 堅志 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究員 (70390771)
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キーワード | メンタルヘルス / 過重労働 / 人材育成 / 社会教育学 |
研究概要 |
1.予備的実践 11の法人の人事担当者と懇談し人材育成に必要な知識を提供する単行本を出版した(研究発表欄)。本研究への参加を希望した企業は、製造業の一部上場企業のA社であった。A社は本社、本社別館、8工場、48支店、450営業所があり、拠点(独立した建物)としては280があり、本社、工場以外の事業所は、安衛則上産業医の選任義務のない社員50名未満の小規模事業所で、研究開始時点で特段のメンタルヘルス対策は実施していなかった。 2.実践結果 (1)本社人事担当者の人材育成 平成17年4月より平成18年2月までA社の本社人事部に月1回出向き、講義を行いつつ、上記280の小規模事業所において、保健職ではない要員による保健活動に必要な条件(ラインによるケアの担い手とその支援者の抽出、保健知識)は何かについて討論による分析を行った。 (2)ヒアリング調査 17年9月から2ヶ月間、社内5部門の管理者を対象として、のべ20時間をかけて業務管理実態についてのヒアリング調査を実施した。これに基づき、ラインによるケアの担い手を営業所長および課長、支援者を全国の総務課員と決定した。 (3)支援者としての総務部門の人材育成 17年7月に全国総務課員が参加するセミナーを実施。その後、精神保健の標語を作成し全社的に普及する。さらに総務課員が各地の管理監督者に対しメンタルヘルス講話(約20分)を行う教育と復職支援のシステムを整え18年1月に全社的合意を得た。 (4)標語、講話の文章は本社人事部と各地の総務課員が自主的に作成し、3ヶ月弱で48支店中10支店で講話がなされ、A社における過重労働・メンタルヘルス対策への関心は高まっている。 3.結論 本実践は小規模事業所を多く抱える法人にかなり有効といえた。研究の結果は「単一企業分散型小規模事業場における業務管理実態の調査を通じたメンタルヘルス対策の立案」として労働科学誌に投稿中である。
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