研究課題
【目的】未知疾患関連遺伝子変異検出を可能とする次世代検出法(網羅的変異部位釣り上げ法)開発を目的とする。【方法】ヘテロ接合体を熱処理後徐冷し、ミスマッチ部位を形成し、これをビオチン化カルボジイミド(チミンあるいはグアニンを含むミスマッチ部位に特異的)で修飾し、アビジンにて釣り上げた。モデルとしてメタボリックシンドロームに認められる高トリグリセリド(TG)血症の病因遺伝子のひとつのリポ蛋白リパーゼ(LPL)遺伝子を用いた。【成果1】昨年度に検討した効率よい2本鎖DNA形成条件下で、ヘテロ2本鎖のミスマッチ部分のGとTをビオチン化カルボジイミド標識した。非特異的反応を抑制するために、マッチした2本鎖DNAに入り込む縫い込み型インターカレーターであるナフタレンジイミド(NDI)又はフェロセン化ナフタレンジイミド(FND)を共存させたが、ヘテロ特異的シフトバンドは得られなかった。電荷等異なる他のインターカレーターの合成と使用が必要と考えられた。【成果2:MutSの精製】ヘテロ2本鎖DNAの釣り上げのため、上記以外の系として、MutSを選んだ0好熱性細菌Thermus thermophilus HB8のゲノムからMutS遺伝子をpET2l(a)ベクターにタローニングし、大腸菌内で発現させ、C末端に付加した6つのヒスチジン残基の性質を利用して、金属キレートアフィニティーカラムに結合させ、イミダゾールで溶出し、精製した。【成果3:MutSによるヘテロ2本鎖DNAの釣り上げ】MutS蛋白で、我々が集積してLPL遺伝子変異のヘテロ2本鎖DNAの釣り上げを試みた。変異が集中するエキソン5についてみたところ、G188Eのヘテロが釣り上げられた0この変異はG→Aの変異であるが、G→Aの変異でも釣り上げられないものもあった。MutSの系での、NDIやFND又は新規物質を使用した検討が必要である。
すべて 2006
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Atherosclerosis 7(No.3)
ページ: 16-16
ページ: 497-497