【目的】未知疾患関連遺伝子変異検出を可能とする次世代変異検出法(網羅的変異部位釣り上げ法)開発を目的と【成果1:2本鎖DNA形成効率の検討】DNA断片を95℃にて熱変性→徐冷後形成される2本鎖DNA(dsDNA)と1本鎖DNA(ssDNA)を非変性ゲルで検出した。DNA濃度(0.1pmol/ul)以上で、ほとんどがdsDNAとして検出できた。【成果2:ヘテロ2本鎖DNA形成効率の検討】ヘテロ2本鎖DNA検出を容易にするため、4及び8塩基挿入変異を使用した。上記条件により、ヘテロとホモ2本鎖DNA分離が認められ、ヘテロ2本鎖DNAは約40%形成された。理論的には、ヘテロ2本鎖DNA形成率は50%が最大なので、本条件は満足できるものであった。【成果3:ヘテロ2本鎖DNAへのビオチン化カルボジイミドの反応性とマッチ部分強化試薬の介在効果】ヘテロ2本鎖DNAへのビオチ化カルボジイミドの反応性は特異性が低かったので、マッチ部分強化試薬を介在させたが改善されなかった。【成果4:ヘテロ2本鎖DNAへのNutSの反応性とマッチ部分強化試薬の介在効果】ヘテロ2本鎖DNAへのMutSの反応の特異性は高かった。ミスマッチ塩基のえり好みが強いので、マッチ部分強化試薬を介在させたが改善されなかった。興味ある結果は、SSCP法で全く検出できなかったG105R変異がMutS法で検出できたことである。【成果5:LPL新規変異検出】多型の位置による釣り上げ効率に違いがあるのか等の検討のために新規変異の集積は重要であり、本課題においても集積を試み、LPL機能欠損となる新規変異を見いだし、その検出法を特許出願した。
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