近年、日本においては、消費者主体の社会構築へ向け、消費者活動を担っていく消費者組織・団体はこれまで以上に重要な役割が期待されるようになってきている。 そこで、本研究では、消費者団体について、わが国の現状と課題を踏まえながら、欧米諸国の先進的な事例との比較考察を行うことにした。 日欧米の有力な消費者団体の現状と、その国々の政策的(制度的)支援について調査した結果、欧州では、消費者組織が消費者政策に貢献できるよう消費者組織への政策的支援が進んでいることがわかった。 欧州では政府からの資金援助は問題視されていない。日本は政府からの資金援助という制度が確立していないが、以前に比べると、政府から資金援助を受けると独立性が阻害されるという意識は薄まってきているようである。 また、アメリカでは、事業者から活動資金を受け取っている団体があるが、この立場は国際的な消費者活動においてやや否定的にとらえられている。日本には、事業者との連携を合理的に進めていきたいと考える団体も存在するが、欧州では、事業者から活動資金を受け取ると消費者団体の定義から外れるという認識が強く、非常にナーバスな問題としてとらえられている。
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