[(1)衣服と皮膚の接触度の測定] 被験者に、8種類のスポーツシャツを着用させ、室内で、歩行運動を負荷させた。このときに、半身側には、衣服内および衣服表面の温湿度測定用に温湿度センサ、また、皮膚と衣服との接触状態をモニターするために、熱電対温度センサ付き衣服圧プローブを皮膚に貼付した。このときのサーモグラムによる表面温度測定と、温度センサとの測定値を比較することによって、皮膚と衣服との接触度がサーモグラムによって測定可能であることを確認した。サーモグラムは温度のみならず、その面積を算出することが可能であるため、点接触によって測定する温湿度センサよりも、正確な温度と温度範囲が視覚で認識できるだけではなく、その面積が情報として得られることになるから、皮膚の湿潤による衣服の濡れが定量的に評価できると推測した。 [(2)衣服素材の乾燥時および湿潤時の物性値測定] 測定に使用する試料の物理的特性値測定を行った。 [(3)屋外スポーツ時の接触度の測定] (1)では、室内での測定を行ったが、サーモグラムの特徴は、被験者に非侵襲であるため、被験者が測定装置による制限を受けないことにある。そこで、衣服の湿潤による接触が運動機能性を損ねることが多いと思われるテニスをスポーツの種類として選択し、被験者に指定のシャツを着用させた状態で、テニスをさせ、その時の表面温度と接触面積を測定した。(2)で測定したドレープ性能と、接触面積との関連から、接触度評価法について検討した。
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