1 東京にて:シルク博物館「世界のふろしき展」、大江戸博物館「新シルクロード展」、東京国立博物館、及び同資料館にて「紅型と会津型の特色」を収集し、沖縄の紅型は、小紋型・中型同様、江戸時代に隆盛の兆しをみせたことを掴む。型染の発生は、正倉院の御物に型染めとみられる布があることから、次年度は正倉院で確認。現存する型の染めの中で最も古い衣服は、日本傘文様素襖(室町)である。 2 沖縄島にて:沖縄県立首里高等学校染織デザイン科へ出向き、学校教育の中での紅型の扱いを調査。知念びんがた工房で「糸かけ」(通称「糸入れ」)した染型を撮影。 3 会津若松にて:会津工業高等学校で所蔵されている染型を調査。会津型の特徴を知るには喜多方へ行くようにとの助言を得る。 4 喜多方にて:県指定重要有形民俗文化財「会津の染型紙と関係資料」(市指定「喜多方(小野寺家)の染型紙及び関連用具」内訳)小紋、中型、縞、追掛、友禅、小本、絣がある中で最も多いのが絣型であった。織の絣とは違う趣の染型の絣である。会津型の特徴は、この絣型とうるみ型にあることを知り、「蔵の里」でうるみ型を調査。会津型の特徴が染型を見てわかるようになった。 5 ウイーン、ドイツにて:ウイーンのジャポニスムを見ることは出来なかったが、ドイツバイエルン・ナショナル博物館でステンシルを見ることが出来た。撮影は不許可。 6 会津田島にて:辺見輝夫氏宅を訪問。会津型、常磐紺型、うるみ型に関する資料収集を行う。 7 沖縄島にて:首里城「琉球王朝 紅型の美」展、沖縄県立博物館「柳宗悦の心と眼 柳宗悦の民藝と巨匠たち」展、文化講座「柳宗悦の仕事とその根本思想」にて資料収集。 8 本土の型染は単色が多い。これに対して沖縄のそれは多色染(藍型を除く)である。文様についても本土と沖縄の型染には差異がみられ、文様の線やリズムは、そこに生きた人々の美意識が集約されているとの理解が深まった。
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