本研究では、研究課題について、実例から学ぶことを重視し、長野県下條村・宮田村を調査対象地域として設定し、現地の人々と連携し調査研究を行った。その結果、わかったことは、次のとおりである。 ■村道・集会所・公園などの地域施設づくり(ハードの地域づくりに該当)について、その計画づくり・施工・事後の管理運営に、住民が自主的・積極的に取り組み、それが広がりつつある。また、様々な住民組織による地域活動が活性化している(ソフトの地域づくりに該当)。 上記のようなハードとソフトの地域づくりが、相互に作用し合って活性化している。 ■一部の男性だけ(自治会役員など)だけでなく、女性・高齢者・若者・役員以外の男性などの地域づくりへの自主的・積極的な参加が増えつつあり、それらの人々が地域づくりの主役になりつつある。 ■行政は、村長がリーダーシップを発揮し、役場職員と一体となって、上記のような住民による地域づくりを物心両面で支援している。その際、行政は、できるだけ多面的に住民ニーズが反映されるようにすること、地域づくりに係わる住民の力量が向上すること、などを重視している。 ■上記のような取組を通じて、住民と行政の相互連携が強化され、両者の取組がレベルアップし、様々な困難を乗り越えながら、研究課題のような地域づくりに向かって、前進しつつあると考えられる。 ■上記のような地域づくりの取り組みの中で、地域の生活環境(住環境を含む)の改善、住民同士の絆の強化(コミュニティづくり)、などの様々な効果が生じている。
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