研究概要 |
平成17年度(〜20年度)科学研究費補助金研究(基盤研究(C)「生活科学的視点に立脚した"消臭"の機能性評価」,課題番号17500513)を開始するに当り、まず、当研究室でここ10年程鋭意開発を進めてきた「香り知覚の官能評価(SD法)に基づく表示手法研究」の"まとめ"を行った。これらは総説の形でアロマリサーチに2報掲載されたものであるが(菅原,アロマリサーチ,6-2,pp181-187,2005;菅原,アロマリサーチ,6-3,pp290-296,2005)、「香り知覚を表示する」との研究目的に沿って得られた言わば有形無形のノウハウの整理・まとめであり、今回官能評価(SD法)手法に立脚した"消臭"の機能性評価手法の確立を図る上で、時間・経費・人材いずれにおいても短縮・削減効果をもたらした。そのため「光触媒型消臭器を冷蔵庫に設置した際」との限定条件下ではあるが、今年度、SD法(官能スペクトル)を基礎とする消臭機能評価法の確立が図かれたのではないかと考えている。得られた研究成果は、すでに日本官能検査学会誌に掲載されている(菅原・井浦他3名,日本官能検査学会誌,9-2,pp101-107,2005)。以上のように、今年度、冷蔵庫内の"匂い(臭い)の感じ方"と"匂い(臭い)の強さ"の"感じ方の変化"を基礎とする消臭の機能性評価手法を確立することが出来た。今後の研究展開における基礎・基盤でもある。
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