本研究では、親になった人の「親育ち」への支援の方法と、今求められてい子育て支援(特に子育てに関する相談や助言)の役割が果たせる保育者の養成方法を開発するため、学習環境を検討し、実践の結果を分析し、効果の測定を行い、必要であれば改善を行い、新しい親支援のプログラムと保育者養成プログラムを示すことを目的とする。具体的には、(1)システムの開発と予備的な実践を行う(2)両方の課題を消化するプログラムの作成と実践を行う(3)開発した学習環境と実践プログラムの効果を測定し、見直しを行う(4)実践記録の教材としての活用を検討する予定である。 本年度は、2年の研究期間における1年目として、以下の検討を行った。 (1)実践プログラムの作成と予備的な実践:実践プログラムは、まず保育者養成課程で学ぶ学生が親とのコミュニケーションを練習できることが必要であるため、子育て支援センターと協力して、子育てグループ活動に積極的な母親と専攻科の学生を対象として立案し、予備的な実践を行った。実践結果については、参与観察を行い事例をあげ詳細に検討した。 (2)学習に必要となる教室環境の整備:親が養成教育活動に参画し、また学生がさらに親とコミュニケーションが取れるような実践が展開できるよう、教員が交流エリアに同席せず交流を見守れ、必要に応じて学生サイドのかかわりにアドバイスが行えるような学習環境の開発を行った。 (3)保育プログラムと学習システムを統合した試験的な実践:(1)、(2)の取り組みを統合して、2つの課題を消化するプログラムとシステムの試験的な実践を行った。実践結果については分析中である。 (4)新たな学習環境の発見:研究計画作成当初は想定していなかった学習環境の発見があった。2つの課題を消化するシステムとして活用の可能性について、引き続き検討したい。
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