研究概要 |
研究初年度の目標は,1)小学校生活科および総合学習における調理実習の実態の詳細把握と2)英国における子ども料理教室の実態把握と成果等の検討である.以下に項目ごとにその成果を報告する. 1)小学校生活科および総合学習における調理実習の実態の詳細把握 奈良県の小学校家庭科教員を通して実施した既調査のデータを分析し,その結果を学術雑誌に報告した.奈良県下の栄養教諭(職員)を対象に,栄養教諭(職員)が関与している授業や授業をすすめる上での課題等を調査した.調査結果は,18年度の日本家庭科教育学会大会において発表の予定である. 文部科学省指定研究開発学校である愛知県西尾市立寺津小学校の食育科の研究発表会に参加し,授業観察ならびに他の参加者と意見交換を行った.また,食育に県をあげて取り組んでいる福井県の健康福祉部健康増進課の担当者に「健康長寿ふくいの食育活動マニュアル」について,特に学校教育における取り組みを中心にインタビューを行った.同じく福井県小浜市の御食国若狭おばま食文化館においては,幼児を対象にした料理教室の参観し,館長に小浜市の食育の取り組みを聴取した. 2)英国における子ども料理教室の実態把握と成果等の検討 英国の中でも食育が積極的に進められているリバプールを中心に,その取り組みを調査した.具体的には,小学校の放課後に開催されているHealthy Cookery Clubs,ならびに小学校付設のファミリーセンターの視察と担当者へのインタビュー,リバプールのHealthy Schools Programme担当者へのインタビューである.調査結果は,18年度の日本家政学会大会において発表の予定である. 3)その他 H17年12月に開催の日本家庭科教育学会シンポジウム「家庭科における食の世界への誘いと育てる力」にシンポジストとして参加し,早期からの必要性と,実施にあたり調理技能の習得を中心とすることで効果が得られることを,これまでの調査結果にもとづき発表した.
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