本研究の目的は、小学校低学年から展開する調理実習を中心とした食育プログラムを作成、試行実践し、検証することである。 今年度は、これまでの「小学校低・中学年における食育の現状と課題 -生活科、総合的な学習の時間、特別活動における調理の扱い-」、「小学校における教科担当教諭と栄養職員(教諭)の連携による食育の実態と課題」、「英国における子ども料理教室の実態把握と成果等の検討」等の研究成果をふまえて、課題3)の小学校児童の発達段階に応じた調理技能の配列を検討した。 具体的には、奈良市内に勤務する小学校栄養職員、家庭科担当教員らからなる研究会を組織し、プログラムを作成し、実践計画を立てた。研究会メンバーには、奈良市立飛鳥小学校、奈良市立椿井小学校、奈良市立東市小学校、奈良教育大学附属小学校の教員ならびに栄養職員に依頼し、合計3回の研究会を奈良教育大学において開催した。さらに奈良県下における小学校低学年・中学年を対象にした食育実践の情報収集を行った。試行実践とその検証は、実践を依頼する各学校の授業計画との関連から、19年度に持ち越しとなった。 課題2)の英国における子ども料理教室の実態把握と成果等の検討については、研究を深めるために、英国のFood in School Programmeに関する資料収集と、英国の食育に対する動向調査に努めた。 今年度の学会における研究成果の発表は、以下の二点である。 ・「英国リバプールにおける食育の取り組み」日本家政学会第58回大会(秋田)2006年6月 ・「小学校における教科担当教諭と栄養職員(教諭)の連携による食育の実態と課題」 日本家庭科教育学会第49回大会(東京)2006年7月
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