ウコギ葉の機能性を利用する新規の抗糖尿病食品としてウコギ茶の開発を目的とした。 1.糖尿病軽減に最も有効なウコギ茶の調製条件を確立した。 2.正常ラットを用いた糖負荷試験により、ウコギ茶摂取による食後血糖上昇抑制効果が認められ、その作用はマルターゼ阻害活性に起因することを明らかにした。 3.糖尿病発症前の2型糖尿病モデルマウスへのウコギ茶の長期投与実験より、ウコギ茶の継続摂取は空腹時血糖値及び糖化ヘモグロビン濃度の上昇を有意に抑制したことから、ウコギ茶は糖尿病発症の予防に有効であることが示された。 4.肥満を呈する糖尿病マウスへのウコギ茶の長期投与実験より、空腹時血糖値、耐糖能、インスリン抵抗性の改善および体重増加量の減少、血中脂質濃度の低下が認められ、ウコギ茶は糖尿病改善効果を明らかにした。 5.女子短大生を対象とした米飯摂取時のウコギ茶の飲用試験により、ウコギ茶は食後の血糖上昇を抑制し、その効果は食後の血糖値の上がりやすい人に有効であった。 6.食後の血糖値の上がりやすい健常人を対象としたウコギ茶の長期連続飲用試験によりウコギ茶の糖尿病軽減効果および安全性を検討した。この飲用期間での空腹時血糖値、糖化ヘモグロビン濃度には有意な低下は認められなかったが、血中の中性脂肪、HDL-コレステロール値および尿酸値が改善された。さらにウコギ茶の12週間の連続飲用は食後の血糖上昇を改善した。また肝機能関連酵素類および血球成分などには変動が認められず、ウコギ茶長期摂取の安全性も確認された。 本研究によりウコギ茶の糖尿病軽減作用が明らかになり、抗糖尿病食品として有用であることが明らかになった。
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