研究概要 |
米飯炊飯後の老化進行と難消化性デンプン生成の関係について検討した。災害時、フィルム包装おにぎりが被災地支援用に各地から供給される。新潟大震災時、首都圏・中部・阪神地域から多くのおにぎりが支援されたが、デンプン老化により消化不良を訴える老人幼児が多かった。一方、平時には食味を損なわない適度な老化によりおにぎり中に難消化性デンプンが生成し、プレバイオティックス効果を示すことが期待される。今回、このフィルム包装おにぎりを想定した米飯の老化進行の解明と難消化性デンプン生成とその生理的機能性の解明を目的として実験を行った。米飯(新潟県産コシヒカリ)炊飯後、5,20℃条件下で保存し、酵素法による糊化度の変化、食品物性試験器による物性変化などの初期老化指標の変化と,酵素重量法による食物繊維含量、Englystらの方法による難消化性デンプン含量の変化の検出について検討した。初期老化は、糊化度、物性ともに官能的食味変化との鋭敏な相関を示さず、さらなる初期老化評価法の検討が必要と考えられる。また難消化性デンプン含量も大きな増加を示さず、Englystらの方法を改変した評価法の必要性が示唆され、現在検討中である。
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