1.平成17年度に行った基礎研究、語彙や使用されている動詞の用法等の分析に基づき、平成18年度は理工系専門科目「基礎科学」の教材における言語的特徴や授業における言語活動及び言語習得の実体等を分析した。これらの結果に基づき、「基礎科学」教材の学習項目について、日本語の視点と理工系の視点から検討し、学習内容の体系化を進めた。 2.平成17年度に行った「基礎科学」の漢字語彙の分析をさらに進め、「基礎科学」の学習に効果的と思われる、学習漢字90字および漢宇語彙82語を選定した。これに基づき、「基礎科学」の漢字補助教材を開発中である。 3.平成18年度の授業分析を日本語教育専門の立場からインタラクション面での問題点を明らかにした。これについて、基礎科学教育の学習活動との調整を図り、授業改善のプランを練った。 4.平成18年度実施した「基礎科学」の授業アンケートを分析した。その結果、学生にとって必要なことと、指導上もとめていることや学生に与えているもののずれが確認された。それらの結果を考慮し、学生にとってさらに使いやすい補助教材(「漢字教材」「基礎科学の表現」など)の開発を進めている。また、新年度は、これら「漢字教材」や「基礎科学の表現」などの補助教材を用いて授業ができるよう、授業の準備を進めている。 5.既存の基礎科学教材を改訂するために、当研究担当者等の専門以外の部分については、留学生日本語教育センターにおけるその分野の非常勤教員に依頼し、修正原稿を作成した。
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