研究目的は、予備教育機関に在籍する理工系留学生を対象に専門分野の考え方や基礎知識及び日本語の体系的学習を可能にする基礎科学教材を開発することである。本研究では、既に本研究代表者を中心に開発し、現在使用している科学教材を、日本語学習の視点から改良を加え、新たな基礎科学教材を目指す。具体的な教材としては、『留学生のための基礎科学入門』を開発することであり、また、理工系専門分野の教材における、言語的特徴・言語活動及び言語習得の実体ならびに留学生が抱える問題点などの研究課題を明らかにするとともに、開発した教材を試用し、授業分析やアンケート調査等を基に教材の改良を行い、よりよい学習支援につながる方法を提案する。 今年度は、理工系専門分野の教材における言語的特徴・言語活動及び言語習得の実体ならびに留学生が抱える問題点など、過去2年間の基礎研究の結果に基づき、開発した教材を試用し、授業分析やアンケート調査等による教材の改良を行い、当センターにおける教育を総合的に考慮した教授法を提案した。 これらの研究結果を精査して、日本語初級後半レベルの理工系留学生を対象に、専門分野の考え方や基礎知識及び日本語の体系的学習を可能にする基礎科学の新たな教材として『留学生のための基礎科学入門』を開発し、発行した。個々の研究課題に付いては、学会や論集等に発表してきた。
|