研究概要 |
平成19年度は,改称した「特許創造学習支援システム」の「創造支援」の部分の完成を目指して研究を行った。 研究では先ず,「生徒が『創造』という作業を行う上でどのようなことを難しいと感じるか」を調べる目的で生徒の創造体験の様子を観察した。観察したのは大阪府内の私立中学校の技術科の授業である。その授業は感性価値を含んだ優れたものづくりを創造することを目的とした授業で,第1次:身の回りにある工夫されたものづくりを知る,第2次:優れたものづくり選集による鑑賞教育,第3次:付加価値を付与する対象物の決定と具体化,第4次:付加価値ワードを使い,付加価値を考える,第5次:複数の付加価値を組み合わせる。第6次:作り手と使い手による"共創",第7次:考えた付加価値を明確にする,の全9コマからなる。 観察の結果,生徒が難しく感じていた点は,(1)付加価値が与える効果を考え出すことができない,(2)創造体験の少ない生徒にとって創造のプロセスは複雑である,という2点であった。そこで,(1)に対しては効果ワードを導入・作成すること,(2)創造のプロセスを可視化すること,(3)更に創造のプロセスのそれぞれの段階でどのようなことを行うべきなのか解説すること,の3つの支援を含んだ創造支援プログラムをVisual BASICを利用して作成した。今後は本研究で作成した創造支援プログラムを利用してその評価を行いたい。
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