研究概要 |
本研究では,学習者の進度に応じて適切な課題を与え,その遂行を支援する機能を持つ仮想実験環境を構築している.システムの構築法としては,マイクロワールドグラフ(学習目標と課題によって索引付けされた複数のマイクロワールドおよびそれらの間の関係を記述する枠組み)を用いて教材知識を記述し,それに基づいた定性推論によってマイクロワールド間の移行支援機能を実現する.また,試作システムの実装と予備的実験を通して,その有効性を検証する. 前年度においてシステムの基本的構成要素(マイクロワールドおよび移行支援機能)の実装と試作教材の作成が完了したことを受け,本年度はそれらの基本機能の統合およびユーザインターフェースの追加によってプロトタイプシステムを完成した.また,同システムの基本機能を評価するために試験運用を行い,様々な学習文脈においてシステムが適切なマイクロワールドの移行を提案し,そのための課題を自動生成することができることを確認した. 試験運用およびデータ分析には,本年度本補助金で購入したシステム運用用計算機およびソフトウェアを用いた.また,当初システム開発補助として2名程度の大学院生を予定していたが都合により雇用できず,申請者自身がすべての開発を行った. 本年度の成果は,学会誌掲載論文(2編),国際会議発表(4回)およびその他の国内研究会発表(4回)において公表済みである.
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