研究課題
子どもにとって「遊び」は、自然のしくみを知り、生活の知恵を身につけるための重要な体験である。しかし、宅地開発等により身近な自然環境が減少している中で、特に日本の都市部では、かつて誰もが体験できた遊びや体験型の環境教育を実践していくことは難しいのが現状である。このような現状の中で、身近に残された自然空間やオープン・スペースを、「子どもの遊び環境としての自然環境の修復」と「環境学習」を目的として創造していくことは重要な課題である。このため、日本における環境計画や環境教育のありかたについての問題点を明らかにした上で、環境再生・活用のための環境設計を行い、身近な環境の活用手法と教材開発についての研究を行ってきた。平成17年11月〜平成18年3月、子どもと保護者、教員など地域社会の意見を計画プロジェクトに反映させることを目的として、地域の環境再生計画ワークショップを開催した。第1回の再生計画W.S.では、子どもたちをグループに分けて、身の回りの自然環境について遊びながら探検してもらい、身近な自然の現状把握を行った。第2回の再生計画W.S.では、参加者同士がイメージを共有した。第3回の再生計画W.S.では、これまでの再生計画W.S.の成果から、環境再生計画の案を発表してもらい、計画を実現するための方法を話し合った。これらの計画をもとに、環境活用案をまとめ、地域の植物を用いた環境修復、漆喰や木材など伝統的材料を用いた子どもの遊び環境の修復を実際に行った。平成17年9月には、環境学習プログラムと環境設計の事例について欧州での調査を行った。フィンランド、ヘルシンキの野外環境教育センター等において、近隣の自然公園を利用した野外環境教育プログラム及び教材の調査を行った。また、オウル大学において環境教育のシンポジウムで講演し、日本における子どものための環境設計と環境教育の事例を紹介した。
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九州森林研究 59
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