科学コミュニケーションの領域でも、特にミュージアムコミュニケーションとしての機能が優れ、地域に貢献しているヨーロッパのミュージアムをリサーチし、その科学コミュニケーション力を取材した。スイス・ベルン市にある自然史博物館は半年前に取材したが、その時点で常設展示のリニューアルを行っていた。9月そのオープニングを取材することを許され、スタッフと交流しながらその先端性と、日本ではなかなか難しい領域を超えた融合が表現として実現していることを再確認、できた。また、世界で唯一の食育のミュージアムであるアリマンタリウムは、ネスレの企業ミュージアムであるが、その来館者への食の学習プログラムや食育歴史の展示コミュニケーションレベルの高さは、日本の科学館が学ぶべきところがある。世紀を通じて後世につなげる文化を創りだしていることがこのミュージアムのスタッフから窺えた。3月のパリのミュージアム取材では、やはり歴史と文化の継承として、また人間の好奇心の触発媒体としてミュージアムがあらゆる人間教育に貢献していることを確認した。ミュージアムに限らず、デロールという標本店が170年間もパリのど真中で標本屋として継続できるということは、パリの浸透した芸術と文化の融合結果である。 研究の実績効果は、大学の総合講座サイエンスコミュニケーションや理論講座の中で紹介し、また、積極的に外部のサイエンスコミュニケーションのイベントや科学技術振興機構(JST)主催のサイエンスアゴラ2008企画実行委員、科学技術の智プロジェクト広報委員、ナイスステップな研究者たちのプレゼンテーション、科学誌によるミュージアム取材の定期的継続掲載等で成果を還元している。サイエンスアゴラ2009では企画委員長・主査を担当する。また、きらめき☆ときめきサイエンスの採択による、小学生に向けた還元を21年度に実行することで未来に繋げていく。 研究成果のホームページを開設するためにドメインを取得。http://museuriosity.com
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