全盲学生の手指からの常在細菌叢の検索を行った。使用培地は手型用培地を用い、消毒前後の手指を培地につけさせた。培地表面に手のひらの全表面が接触するよう指導し、かつ培地表面を傷つけないようにした。最初は手を添えるようにあてがったが、繰り返すうちには自分で感触を得て出来るようになった。培養は37℃で2日間行った。方法をマスターして同一条件設定が出来るようになったところで、常在細菌叢を培地表面での発育集落数から判定させた。従来法は、培地上での発育集落を全て模写し、模写された発育集落の図から立体コピーを用いて、触図を作成し、手指の細菌数を計測した。触図での集落数により自分の手指表面の汚染度を把握し、集落の違いは拡大図を作成し理解させた。今回更に、培地表面に発育した集落をデジタルカメラで撮影し、パソコンに取り込んだ。取り込まれた画像は購入した点図用ドットビューでの読み取り処理を行った。パソコン画像はカラー画像よりも黒白画像が処理しやすかった。ピンディスプレイでの集落は個々の大きさの間隔はつかみにくかったが、集落の数は読み取ることが出来た。そこで集落の一つ一つはパソコン画像を拡大し、一つ一つの集落を画面上に表すようにすることにより少しは改善された。集落のスムースとラフの違いは認識できるが、ピンの数がより多いほうが精密であることもわかった。リアルタイムで、自分の常在細菌叢を読み取れるようになり、消毒前後の汚染度の指標を測定できるようになった。点図用ドットビューでの読み取りは触図での学習よりも、リアルタイムに配信できるようになり、繰り返し、色々のパターンが学習することが出来、微生物学の教育効果は進んだものと考える。
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