研究概要 |
エネルギーに関する問題は、近年国際的レベルで深刻な問題となっており,この分野の研究者・技術者の養成は,工学系教育機関にとって重要かつ急務の課題である。しかしながら現在の学生にとって,電気系におけるエネルギー分野は,情報通信分野に比べ古い分野と判断される傾向があり,この分野の技術者,研究者を養成するには,中等教育時或いは高等教育の早い段階で意識及び価値観を変え,同時にエネルギー分野の重要性と魅力を示す必要がある。本研究では,この電気系におけるエネルギー分野の導入教育の課程において,学生にとって魅力ある実験実習装置の開発を目的として,(1)「風力・太陽光・燃料電池ハイブリット発電教育システム」の開発と,そのモニタリングのための教育現場における試行、(2)その結果に基づいて,小学校(高学年)及び中学校の児童,生徒が「総合学習の時間」や,公開講座,体験入学等で学習できる学習プログラムの開発を行った。以下,本研究の概要と成果を示す。エネルギー問題,太陽光,風力ハイブリッド発電,及び,太陽光・燃料電池ハイブリッド発電を解説するための中学生向けマルチメディア教材の試作を行い,中学校への訪問授業を通して試行運用し,その有効性の確認と改善点の抽出等を行った。また、試作した太陽光・風力ハイブリッド発電学習教材と太陽光・燃料電池ハイブリッド発電学習教材を学内イベントや近隣の中学校に対する訪問授業で試行的に運用し,試作発電システムの教材としての評価と有用性の確認,教材の利用方法のとその実用化に向けての検討を行った。今後の予定として,地域企業のエネルギー分野への事業拡大の支援を行うための教育用研修プログラムの構築等を計画している。
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